柿日和

87歳の母親がいます。

つい先ごろ彼女にとりとてもショックな出来事あり、この数年その傾向が出ていた認知症が一気に進行してしまいました。ほんとうにあっという間の変わりようでした。

母は若い頃から俳句をたしなみ、身内が言うのも痴がましいですが、とても透明感のある素敵な句を沢山作ってきました。週に一度独り暮らしの母の元を訪れてはその句をきかせてもらうのも楽しみでした。

精神的ショックから少しずつ立ち直りつつある母の手に自身の掌を重ねては、こんなことはついぞしたことがなかったなあ、という思いと、ああこの手で育ててくれたのかという思いが胸に詰まりました。

無人となった母の部屋で、紙の端っこに鉛筆書きでしるした一句を見つけました。


見事なる 紀州の山の 柿日和
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* PhotoClickで拡大 * 【撮影:11月3日_御所市】



おそらくは12月中旬、ショックな出来事の後で彼女が自身を鼓舞するようにして作ったものでありましょう。今はその句の由来を尋ねることさえ叶いません。いつの日かこの句の情景を私の手で写し撮り、それを母に見せてやりたいと心に念じました。


私事を書き連ね恐縮でありましたが、今年もこのブログや写真を通じて、沢山の方々と素晴らしいひとときを持てたことを何よりの幸せと感じ心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。また来る年もどうぞよろしくお願いします。
by WWMC | 2015-12-28 21:57 | フォトブログ奈良


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