2017年 10月 09日
北国の夏はうたかた:12:岬をめざして
尾岱沼での朝を迎えた私に、夕刻の釧路発伊丹行きのフライトまでに残された6時間。
初めてです。こちらに来て初めて
「形」のある雲を目にしました。
だあれも居ない、牛も馬もいない、一台の車もこない、そんななかで
草原の道を抜けやがてたどり着いたのはさきほどまでのオホーツク海とはうってかわり眼前に太平洋を臨む浜中町。
作業小屋と思しき場所の手前に車を停め、一人だけいらした赤いつなぎのご主人に駐車と撮影の許可を願いました。
はたしてこれが大正解。この後とても為になるお話を伺えたのです。実はお盆休みで完全休漁のこの日でしたが普段はこの広場いっぱいに海から水揚げされてきた昆布が所狭しと広げられているのだとのこと。
そしてこの黒っぽい石が敷き詰められた場所、ここは干場(かんば)と呼ばれ 昆布漁師さん達がなによりも大切にしている作業場なんだそうです。 普段からここに厳選した石を敷き、皆で丁寧に水平を保ち 手で綺麗にゴミを除き作業の準備をするのです。
ときに不届き者がなんの許可も無く車でばぁーーっと入ってきて ぐるぐるとこの上で転回などすることがあるのだとか。
「んなことしたら、どやさっれからね。ヘタしたら石投げられるよほんとに。 黒い石のとこはぜってぇ 入ったらダメだよ」
いやあほんとに貴重なお話でした。 私のアプローチは合格だったもののちょっと冷や汗ものでしたが(^_^; でもこれは写真家の方々みなさんにぜひお伝えしなくてはと 冗長な文章で申し訳なくも記しておきました。 黒い石の広場には注意!
さて撮影再開です。
「坂、登ってってもいいですか?」「ああ、いいよ、干場も横切ってっていいから」 悪天候に恨み節だったこの旅でしたが、この日でなければあり得なかった一人きりの撮影スポットが待っててくれた...
一人坂道を登りながら、そんなことが心に浮かんできて、ちょっと感動してしまいました。 北国の小さな岬の先に広がる太平洋はやや緑がかった薄いブルーで穏やかにどこまでも続いていました。
そうだ岬の絵を撮ろうと思いつき車を走らせていますと、待ち望んできた風景がフロントガラスの向こうに広がりました。
初めて青空に浮かぶ白い雲を撮ることができました。
海岸通りを走り抜けながら、観光地でもなんでもないとある岬の突端へ続く細い道を分け入ってみました。
はたしてこれが大正解。この後とても為になるお話を伺えたのです。実はお盆休みで完全休漁のこの日でしたが
by WWMC
| 2017-10-09 22:53
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